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【正論】対北危機招いた日本の主権意識の欠如 東ベルリン事件で西独はその年の内に不法連行の17人を奪還した 新潟県立大学教授・袴田茂樹

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【正論】
対北危機招いた日本の主権意識の欠如 東ベルリン事件で西独はその年の内に不法連行の17人を奪還した 新潟県立大学教授・袴田茂樹

 最近の日本の政界やメディアを見ていて、異様に感じることがある。それは、国会でもメディアでも、国政の本質ではない目先の政争問題が大々的に扱われ、例えば北朝鮮の核・ミサイル問題などわが国の安全や主権の危機が、一過性の出来事のように軽く扱われていることだ。そのような対応の結果が、今の北朝鮮絡みの深刻な状況を生んだのではないか。これは日本だけでなく国際社会の対北政策の誤りの結果でもあるので、やや広い観点から考えたい。

≪小泉訪朝と6者協議の過ち≫

 すでに1990年代に北朝鮮の核問題は深刻化し、95年には朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が設立された。2001年の米中枢同時テロ事件の後、02年1月にはブッシュ大統領は北朝鮮など3国を「悪の枢軸」国家とし、「机上には全選択肢がある」と武力介入も辞さずの態度を示した。

 米国が中心となって、その前年12月にはアフガニスタンのタリバン政権を崩壊させ、03年3月にはイラクのフセイン独裁政権を軍事攻撃して崩壊させた(その是非は論じない)。これに心底震え上がったのが金正日やリビアのカダフィなどの独裁者で、前者は暗殺を恐れて長期間姿を隠し、後者は03年12月に核計画を廃棄した。

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