産経ニュース

【正論】ゴールはもはや「延命」ではない がん対策推進基本計画はがんの「治癒」を目指せ シカゴ大学医学部 内科・外科教授 中村祐輔

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
ゴールはもはや「延命」ではない がん対策推進基本計画はがんの「治癒」を目指せ シカゴ大学医学部 内科・外科教授 中村祐輔

中村祐輔・シカゴ大学医学部教授  中村祐輔・シカゴ大学医学部教授 

 21世紀に入り、がん医療は急速に変化を遂げている。多くの分子標的治療薬の開発に始まり、最近の免疫療法の成果で、「延命」がゴールではなく、がん医療は「治癒」を目指す時代となった。米国では、国策として「ムーンショット」計画がバイデン前副大統領によって牽引(けんいん)され、昨年12月にはバイオメディカル研究の推進を後押しする「21世紀ケア法案」が、党派を超えて上下院で圧倒的多数の賛成で可決された。

 ≪「秒進分歩」で進む治療法の開発≫

 がんを治癒することは決して容易ではないが、夢物語ではない。医学のレベルは「人類を月に送ることを目標とした」時代に匹敵するくらいは進んでいる。この数十年間でがんの治癒の目安とされる5年生存率は、飛躍的に改善されている。たとえば、1975年には5年生存率が約17%であった慢性骨髄性白血病は、現在では60%を超える。

 がんの種類によっては、ほとんど改善されていないものもあるが、日進月歩を上回る「秒進分歩」の速度で新しい治療法が開発されている。しかし、医薬品の貿易赤字は2年連続で2兆円超えとなり、日本の遅れは明白だ。

続きを読む

「ニュース」のランキング