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【正論】超高齢化社会の到来… 遺言で新たな社会貢献の決意 実りある「終活」へ 日本財団会長・笹川陽平

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【正論】
超高齢化社会の到来… 遺言で新たな社会貢献の決意 実りある「終活」へ 日本財団会長・笹川陽平

笹川陽平・日本財団会長 笹川陽平・日本財団会長

 少子化の進行で法定相続人がいない人や遺産を公益性の高い団体などに譲渡し社会課題の解決に役立てる遺贈寄付も増え、受け皿となる組織も整備されつつある。

 われわれが昨春、開設した遺贈寄付サポートセンターにも69歳で亡くなられた女性から、「世界の恵まれない子どものために」と1億5千万円の遺贈寄付があり、全額、ミャンマーでの障害児支援施設の建設に活用された。

 以上が、わが国における遺言の現状であり、全体に望ましい方向に向かっていると思う。

 しかし本稿では、遺言書の作成に、単なる財産の分配ではなく、新たな社会貢献の決意という、より大きな役割を期待したい。死後に遺(のこ)す本人の思い(遺言)を書面にまとめる厳粛な作業を通じて過去を振り返り、残る時間を有意義に過ごす覚悟を固めれば、実りある終活にもつながる。

 わが国は20年後、3人に1人が65歳以上の超高齢化社会を迎える。大半が70歳前に現役を引退する現在の形で、次世代が高い社会負担に耐えられるとはとても思えない。

 高齢世代が戦後の日本の繁栄を担ったのは間違いないが、その一方で国債や借入金など「国の借金」も国内総生産(GDP)の2倍近い1050兆円に膨らんでいる。放置すれば次世代の負担はさらに膨張し世代間の対立も深まる。これを乗り切るには、高齢者が可能な限り社会活動に参加し、その一端を担うしかない。

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