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【産経抄】あらゆる冒険は酒に始まる 1月9日

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【産経抄】
あらゆる冒険は酒に始まる 1月9日

 「あらゆる冒険は酒に始まる」。夏目漱石は、ビール一杯飲んだだけで、顔が真っ赤になるほど酒が弱かった。にもかかわらず、酒に関する名言をいくつも残している。小説の登場人物に語らせた、冒頭の一句もその一つである。

 ▼今日は成人の日。飲酒という冒険の始まりの日でもある。ただ残念ながら、毎年のように各地の成人式で飲酒によるトラブルが相次いできた。昨年も和歌山市の会場で、新成人の男性が、同じ新成人の男に酒瓶で殴られて重体となっている。どちらも酒を飲んでいたらしい。

 ▼そもそも飲酒が20歳で解禁となる根拠は何か。大正11(1922)年に帝国議会で制定された「未成年者飲酒禁止法」である。実は、アメリカ帰りの衆院議員、根本正が明治34年に提案してから可決にこぎつけるまで、21年もかかっている。

 ▼最大の障害は、飲酒に寛容な世間の風潮だった。酒の消費が抑制されると財源不足になるといった意見が、議会でまかり通ってもいた。逆に、人間の発育の観点から「25歳説」が浮上したこともある。かみ合わない議論をたどると、「私たちに『酒』とは何か、また『大人』とは何かを考えさせてくれる」。禁止法の歴史にくわしい元森絵里子さんはいう(『酒読み』社会評論社)。

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