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【正論】ロシアとの領土交渉、これが日本「完敗」の背景だ 新潟県立大学教授・袴田茂樹

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【正論】
ロシアとの領土交渉、これが日本「完敗」の背景だ 新潟県立大学教授・袴田茂樹

日露首脳会談後の共同記者会見で、質問に答えるロシアのプーチン大統領(左)と安倍晋三首相 =16日午後、首相公邸(川口良介撮影) 日露首脳会談後の共同記者会見で、質問に答えるロシアのプーチン大統領(左)と安倍晋三首相 =16日午後、首相公邸(川口良介撮影)

 12月15日には、欧州連合(EU)がシリア情勢に関連して対露非難声明を採択し、ウクライナ問題以来の対露経済制裁を来年7月まで半年延長することで合意した。またオバマ米大統領は、露によるサイバー攻撃への報復意思を表明した。この日、安倍晋三首相はプーチン露大統領を「クリミア併合」以来、先進7カ国(G7)諸国としては初めて-しかもG7議長国として-公式的に招き、「ウラジーミル、君」と一方的に親密関係を演出し、欧米と日本の対露姿勢の差を浮き彫りにした。

≪明らかに後退した平和条約≫

 首脳会談の日本側の主たる目的は、日露の領土交渉を進展させること、そのための経済協力の具体化だった。結果は領土交渉の進展はゼロ、露が望む経済協力では8項目提案など政府、民間合わせて82件の成果文書を交わした。英紙フィナンシャル・タイムズも認めるように、露側の完勝である。

 露が1990年代に日本に求めた北方四島での共同経済活動が、平和条約締結の前提の如(ごと)き合意もなされた。しかし露側は、共同経済活動は首相の言う「特別な制度」下でなく、露の法律下でという立場を譲っておらず、合意の実施は困難で、新たなハードルを設けたも同然だ。さらにプーチン氏は日米安保条約への懸念も新たに表明した。平和条約交渉は一歩前進どころか、明らかに後退した。

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