産経ニュース

【産経抄】一人残された小学2年の女の子 12月6日

ニュース コラム

記事詳細

更新

【産経抄】
一人残された小学2年の女の子 12月6日

 「交通事故で親を失った子供たちを支援しよう」。昭和45年、万博開催に沸く大阪で、一人の大学生が道行く人に募金を呼びかけていた。9年前に58歳で世を去った、山本孝史さんの若き日の姿である。がんと闘いながら、参院議員としてがん対策基本法の成立に尽力した。

 ▼山本さんの妻、ゆきさんによると、小学4年の交通遺児の作文『天国にいるおとうさま』が、募金活動にかかわるきっかけとなった。「ぼくとキャッチボールをしたが 死んでしまった おとうさま もう一度あいたい おとうさま」。読んでいるうち、突然記憶が甦(よみがえ)り、号泣した。

 ▼山本さんが5歳のとき、3歳上の兄が自宅の前でトラックにはねられて亡くなっていた(『兄のランドセル』朝日新聞出版)。大学卒業後は、交通遺児育英会に就職する。当時は交通事故による死者数が、年間で1万5千人を超え、交通戦争という言葉がまかり通っていた。

 ▼近年は5千人を下回っている。それでも、悲劇がなくなったわけではない。愛知県一宮市で今年10月、「ポケモンGO」を操作しながらトラックを運転していた男が、下校中の小学4年の男子児童をはねて死なせた。横浜市では、認知症の疑いのある87歳の男が運転する軽トラックが児童の列に突っ込み、1年生の男児が死亡している。

続きを読む

「ニュース」のランキング