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【主張】勤労への感謝 「いそしむ」の意義顧みよ

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【主張】
勤労への感謝 「いそしむ」の意義顧みよ

 23日の休日、紅葉狩りや芸術鑑賞などに出かけた人も多かったに違いない。楽しいひとときに日頃の仕事の疲れとストレスを癒やすのは、勤労感謝の日の意義にも十分かなっていよう。

 この祝日は戦前の祭日「新嘗(にいなめ)祭」に由来するものである。宮中では新嘗の祭儀が行われ、天皇が神々に新穀を供えて収穫を感謝し、自らも食することで国に実りをもたらす力を得るとされる。

 昭和23年、祝日法で「勤労をたっとび、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日」と定められ、今日に至っているが、労働をめぐる現在の風潮を顧みるとき、この趣旨の本来の意味がどこまで浸透しているか、実に疑問である。

 わが国では古来、勤労は極めて大切な徳目とされてきた。聖徳太子が十七条憲法に「官吏は朝早くに出て、夕遅くに退出せよ」と示したことや、「働」が和製の文字であることにも、日本人の働き好きの一端がうかがえる。

 もちろん、よく働くことは決して悪いことではない。先の敗戦から奇跡の復興と発展を遂げることができたのも、日本人の働きぶりに負うところが大きい。

 ただ一方で、「働く喜び」が軽視されてはこなかっただろうか。かつては「企業戦士」がもてはやされ、今では、サービス残業などの過重労働を強いる「ブラック企業」の存在が深刻な社会問題となっている。労働の価値をコストだけで測る会社も少なくない。

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