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【一筆多論】「実利」追う米が中国の覇権主義に目をつむる最悪のシナリオ 長谷川秀行

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 今にして思えば、ずいぶん見当違いの論点だったようだ。かつて日本で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加の是非が問われたころ、反対派が盛んに唱えた「米国ばかりが恩恵を受ける」という見立てのことである。

 そこには米国が進めてきたグローバリズムと、市場を万能視する新自由主義で日本が不利益を被ることへの警戒があった。だが、これに「ノー」を突きつけたのが、ほかならぬ米国だったのは皮肉な話である。

 ドナルド・トランプ氏が米大統領選で支持されたのは、恩恵どころか、「TPPは米国の製造業を破壊する」という主張だった。

 グローバル化に伴う雇用流出や産業衰退に不満を抱く層には、TPPの効果より、それがもたらす弊害に現実味があるのだろう。

 TPPは関税分野のみならず、投資やサービスなど幅広い分野のルールを定めたことにも特徴がある。

 だが、それで米企業の海外展開が加速しても儲(もう)けるのは富裕層だけで、大半の労働者は取り残される。そんな不信を覆せないと、内向き志向は容易に払拭できないかもしれない。

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