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【主張】原発避難いじめ 差別と偏見の根を絶とう

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【主張】
原発避難いじめ 差別と偏見の根を絶とう

いじめを受けていた横浜市立中の男子生徒が平成27年夏に書いた手記 いじめを受けていた横浜市立中の男子生徒が平成27年夏に書いた手記

 いじめに苦しんだ男子生徒自身が、この手記の公表を申し出たのだという。「いままでなんかいも死のうとおもった。でも、しんさいでいっぱい死んだからぼくはいきるときめた」

 何度読んでも胸が詰まる。生徒は小学2年のときに福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難した。転校直後から繰り返された理不尽ないじめに押しつぶされそうになりながら、震災犠牲者の命を思い、生きる決意をつづっている。生徒の痛切な思いを受け止め、真正面からいじめに向き合い根絶に取り組む覚悟を、新たにしなければならない。

 生徒と保護者の悲痛な訴えは教師に黙殺され、市教委も重大事態と捉えなかった。大津市のいじめ自殺事件をきっかけに3年前に施行された「いじめ防止対策推進法」の理念とは正反対の対応である。「教育の放棄に等しい」と、第三者委員会が厳しく批判したのは当然だ。

 だが、覚悟を問われているのは、教師や教育委員会だけではない。いじめは学校の内側だけで起こるのではなく、社会とつながっているからだ。

 「福島の人はいじめられるとおもった」と手記にある。避難者が不当な対応を受けるのは子供に限ったことではない。

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