産経ニュース

【正論】天皇が継承される神道文化とは 「祈る」ことにより祖先へと「続く」 東京大学名誉教授・平川祐弘

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
天皇が継承される神道文化とは 「祈る」ことにより祖先へと「続く」 東京大学名誉教授・平川祐弘

東京大学名誉教授・平川祐弘氏 東京大学名誉教授・平川祐弘氏

 明治神宮は晩秋も樹木が鬱蒼(うっそう)としている。都の中にありながら、山野の中にあるがごとき代々木の森ほど、東京に住んでうれしい場所はない。明治天皇皇后を追慕し、明治の日本を偲(しの)んで造られたこの森は、人工でありながら、人工の感を与えない。

≪神宮内苑が醸す厳かさと尊さ≫

 両陛下を祭神に祀(まつ)る明治神宮が大正5年に起工されて100年がたつ。私が子供の昭和初年のころは玉砂利を踏みながら軍人さんが粛々と行進して参拝した。近ごろは参道でさまざまな外国語が耳に入る。

 山手線をはさんで東側に明治神宮の外苑がひろがる。花火があがる神宮球場などスポーツ施設や緑地帯が整備された地域で、次のオリンピックでさぞかし賑(にぎ)わうだろう。ここも国民の献金で創建されたが、外苑中央に位置するのが聖徳記念絵画館で、明治を一望する壁画が常時展示されている。徳川慶喜の「大政奉還」、西郷隆盛と勝海舟の「江戸開城談判」、明治天皇の「東京御着輦(ごちゃくれん)」、横浜湾での「岩倉大使欧米派遣」、「日露役奉天戦」で馬に跨って入城する大山巌総司令官など、教科書で目にした歴史の名場面に再会するだろう。

 明治時代とは何であったのか、画を描いた昭和初期の作家は明治をどう認識したのか-。近代日本は西洋列強に対抗し中央集権の国造りに邁進(まいしん)した。

続きを読む

「ニュース」のランキング