産経ニュース

【古森義久のあめりかノート】トランプ候補はイデオロギー色ゼロ…米保守主義は空洞化したのか?

ニュース コラム

記事詳細

更新

【古森義久のあめりかノート】
トランプ候補はイデオロギー色ゼロ…米保守主義は空洞化したのか?

トランプ氏(AP) トランプ氏(AP)

 最終盤となった米国の大統領選挙をみていての疑問の一つは、米国年来の保守主義はどうなるのか、である。この疑問はドナルド・トランプ候補の指名で土台を壊した共和党の命運への問いとも表裏一体だといえる。

 近年の大統領選挙は、程度の差こそあれすべて保守主義とリベラリズムの対決だった。ごく簡単にいえば、保守主義とは政府の民間介入を最小限にする「小さな政府」、社会的な価値観では伝統の保持、対外的には強固な軍事力を含めての普遍的価値の投射、そして介入などを求める思想である。

 その逆方向の一連の理念がリベラリズムであり、歴代でも最もリベラル色の濃いオバマ政権の諸政策をみればその内容がはっきりする。だからオバマ大統領への対決からスタートした今回の共和党側では、17人もの候補のうち16人までが「私は保守主義者です」と熱を込めて明言していた。唯一の例外がトランプ氏だった。

 トランプ氏はオバマ政権への非難こそ激烈だが、保守主義はまず口にせず、保守派の持論たる自由貿易にも反対する。軍事政策では保守志向だが、他の主要政策ではイデオロギーをほとんどみせない。そして共和党主流の保守派の政治家たちをすべてこきおろす。それでもどの世論調査でも最低40%ほどの支持率は確保してしまう。

続きを読む

「ニュース」のランキング