産経ニュース

【一筆多論】安倍晋太郎氏、晋三氏 父子2代で臨む北方領土交渉 佐藤貴生

ニュース コラム

記事詳細

更新

【一筆多論】
安倍晋太郎氏、晋三氏 父子2代で臨む北方領土交渉 佐藤貴生

 同国南部クリミア半島の一方的併合という「力による現状変更」を強行したロシアに対し、同じように北方領土を武力で不法占拠され、制裁を継続している日本が、なぜ巨額の経済支援を行わなくてはならないのか。この点を国民に納得させる説明が欠かせない。

 晋太郎氏は先の対談集で、こうも語っている。

 「ペレストロイカ(改革)を支援しながら同時に領土問題についても…(ソ連側の)世論喚起を求めたり、ソ連の要人に対する理解を求めたり、国民の理解を求めたりする。…ソ連の民主化を、自由化というものをある程度成功させる。これは領土問題を最終的に決着させるうえにおいても大事なことです」(カッコ内は筆者)

 さて、現在のプーチン政権はどうか。新聞、テレビの統制に加え、最近ではインターネット空間の言論監視に乗り出す姿勢をみせている。ちなみに、ロシアで8月公表された世論調査では、「一島も返還すべきでない」との回答が56%に上り、晋太郎氏のいう「国民の理解」も進んでいない。

 安倍首相は今月3日、「領土交渉の中でクリミア問題について話をすることはない」と話していた。

 それを承知で5日、在日ウクライナ大使館(東京・西麻布)で、一部の日本メディアと会見した同国のハルチェンコ駐日大使の北方領土に関する発言をあえて紹介しておきたい。

 「盗まれたものは返還されるべきだ」

 全く同感である。(論説委員)

「ニュース」のランキング