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【正論】中国とイスラムの暴力での文明争奪戦が始まった 日本は「近代」を蹂躙する勢力と戦え 評論家・西尾幹二

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【正論】
中国とイスラムの暴力での文明争奪戦が始まった 日本は「近代」を蹂躙する勢力と戦え 評論家・西尾幹二

評論家・西尾幹二氏 評論家・西尾幹二氏

≪イスラム国と主張は同類≫

 日本人はイスラム教徒のことが遠い世界でよく分からない。ヨーロッパ人も中国人のことが分かっていない。中国による南シナ海の人工島の造成を違法とした仲裁裁判所の裁定を「紙くず」と称した中国政府は、「近代」の法秩序を頭ごなしに否定したのだから、その点は「イスラム国」の主張と同類である。イスラムと中国は近代以前の優越の記憶を盾に、暴力で「近代」を白紙に戻そうとしている。それがいま目前に起こっている文明の争奪戦である。

 しかるにドイツのメルケル首相は(後で否定はしたが)、南シナ海の人工島は東南アジア各国がみんなで使えばいいんじゃない? と発言したとされるのは、唖然(あぜん)とさせる無知ぶりである。このあまりに幻想的な現実認識は信じがたいが、ドイツに「民族大移動」にも似た大量難民を引き起こしてしまった真の原因である。

 ヨーロッパは恐らく元へは戻るまい。8世紀からの宿命の対決はイスラムの勝利に終わるだろう。イスラムと中国は「近代」を蹂躙(じゅうりん)しにかかっている。日本はヨーロッパの轍を踏んではなるまい。(評論家・西尾幹二 にしおかんじ)

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