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【正論】核武装が困難なら通常兵器で相手に決定的打撃を与えうるのか トランプ氏の問題提起にも留意を 福井県立大学教授・島田洋一

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【正論】
核武装が困難なら通常兵器で相手に決定的打撃を与えうるのか トランプ氏の問題提起にも留意を 福井県立大学教授・島田洋一

福井県立大学教授・島田洋一氏 福井県立大学教授・島田洋一氏

 両候補の第2の違いは同盟国に対する姿勢である。ヒラリー氏が、日韓などとの条約上の義務を果たすと、現状維持を基調に安全保障関係を捉える姿勢を示したのに対し、トランプ氏は日本は「公平な負担」をしていないと繰り返し述べた上、自分の力で国を守るよう挑発的に促した。

 ここで注意したいのは、米軍の海外駐留経費をめぐる同氏の主張の眼目が、同盟国の「負担増」というよりアメリカの「負担減」にある点だ。彼は何より、アメリカ国内のインフラ整備に資金を傾注したいのである。トランプ氏の夢は「自由世界のリーダー」として存在を響かせることではなく、海外に流れているカネを呼び戻し、全米各地にトランプ工業団地やトランプ空港などを屹立(きつりつ)させた「大土建大統領」として米国史に名を残すことにある。海外の評判などどうでもよく、本気で在日米軍経費の米側負担分を引き揚げに掛かってくるだろう。日本が経費を穴埋めしない限り、その分米軍は縮小する、という話になる。

≪核の傘の提供はあり得ない≫

 トランプ氏の「米国第一」はそうした「米国民の生活第一」であると同時に「米国民の命第一」でもある。討論会で、トランプ氏は北朝鮮の核ミサイルの脅威に複数回触れたが、同盟国への拡大抑止の提供には言及がなかった。

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