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【産経抄】同時テロ以来の衝撃 9月20日

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【産経抄】
同時テロ以来の衝撃 9月20日

 1993年2月26日、ニューヨークの世界貿易センタービル地下駐車場で、車に積んであった爆弾が爆発し、煙はタワー最上階まで達した。6人が死亡し、負傷者は1000人を超えた。

 ▼犯人グループは次々に逮捕され、一件落着と思われた。「私たちは、世界中で起こっていたテロ事件と犯人グループとの重要な結びつきに、気がつかなかった。そのつけを8年後に払うことになる」。

 ▼当時のケリー市警本部長は後に語っている。つけとは、言うまでもない。世界貿易センタービルに旅客機が突っ込むなどして、3000人近い死者が出た、9・11米中枢同時テロである。

 ▼同時テロから4カ月後、再び本部長となったケリー氏は、市警に独自のテロ対策部門を創設した。連邦捜査局(FBI)との連携を強化するとともに、世界各地に警察官を派遣し、情報収集に努めてきた。成果といっていいのか。同時テロ以降、テロは一件も発生していない。

 ▼そのニューヨークの中心部、マンハッタンで先週末、爆発事件が発生し、29人が負傷した。今のところ、「イスラム国」(IS)など過激組織との関連はわかっていない。ただ、国連総会が開催中であり、警備が強化されているなかでの発生とあって、米国内で衝撃が広がっている。

 ▼ニューヨーク駐在の松浦肇編集委員によると、2013年に本部長を退任したケリー氏は昨年、回顧録を出版した。16件ものテロ計画を未然に防いだ、警察生活を振り返っているだけではない。元市民活動家の経歴を持つ現在のデブラシオ市長は、ケリー氏の打ち立てた刑事政策を否定してきた。それに対する反論が書かれているという。9・11から15年、テロ対策のタガが緩んできたとは、思いたくないが。

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