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【主張】カープ優勝 地域の理想的快挙をみた

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【主張】
カープ優勝 地域の理想的快挙をみた

 歓喜の輪の中で、ベテランの黒田博樹と新井貴浩が肩を抱き合い、泣いていた。熱いものを感じたのは、広島ファンだけではないだろう。

 広島東洋カープが25年ぶりにリーグ優勝を果たした。優勝が決定した10日の巨人戦の広島地区の視聴率は、60%を超えたという。

 6月初めから首位を独走する快進撃に、ホームのマツダスタジアムはもちろん、各球場を「カープ女子」らが赤く染めた。地域やファンとの一体感は、国内随一の成功例だろう。市民と球団が共に歩んできた歴史を、それぞれが共有しているからだ。

 昭和24年、原爆投下の焼け野原から4年後に、親会社を持たない市民球団として広島カープは誕生した。経営難は市民がカンパで支えた。「赤ヘル旋風」で初優勝したのは50年、原爆、終戦から30年の節目の年だった。

 平成3年の前回優勝から四半世紀に及ぶ雌伏の期間、主力選手の流出を止めることができなかった。19年にはエースの黒田が大リーグへ、主砲の新井は阪神に移った。黒田と新井は昨年復帰したが、今季はエースの前田健太がメジャー移籍で抜けた。

 黒田、新井を除けばカープの主力選手は若い。実績を残した選手を引き留められないのは、チームの経営事情のためでもある。

 それでも黒田は、大リーグの高年俸提示を袖にして古巣に復帰した。球団やファンが作るチームの空気に、「どうしても帰りたくなる」魅力があるのだろう。

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