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【産経抄】地震さえまじりて二百十日哉…正岡子規は新体詩で人々の無策を嘆いた 8月29日

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【産経抄】
地震さえまじりて二百十日哉…正岡子規は新体詩で人々の無策を嘆いた 8月29日

 〈地震さえまじりて二百十日哉(かな)〉。正岡子規が、明治29(1896)年に詠んだ句である。地震とは、この年の二百十日に当たる8月31日に東北地方の内陸部で発生した陸羽地震を指す。2カ月半前に起きた三陸地震では、2万人を超える死者、行方不明者が出たばかりである。

 ▼30日から当日にかけては、当時は野分(のわき)と呼ばれた台風も、紀伊半島を縦断している。明治29年は、全国各地で水害が多発した1年でもあった。7月には中部地方の木曽川が大洪水を起こし、8月から9月にかけては、関西の淀川、関東の荒川、江戸川、多摩川も氾濫した。水害の年間被害額は国民所得の16・8%にまで及んだという。死傷者がどれくらい出たかは、わかっていない。

 ▼平成の世でも、台風は日本列島で猛威を振るい続けている。台風10号は強い勢力を保ったまま、30日にも上陸する恐れがある。西日本から北日本にかけての広い範囲で、大荒れの天気になりそうだ。

 ▼すでにタマネギなどの農産物は風雨の直撃を受け、価格が上昇している。茨城県常総市で昨年9月に起きた、鬼怒川の氾濫も記憶に新しい。濁流が住宅を押し流すなか、電信柱にしがみついて救助を待つ人もいた。テレビ中継の緊迫の映像がよみがえってくる。

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