記事詳細
【主張】
国境離島 抑止力維持へ無人化防げ
人口減少が進む国境離島の無人化を防ごうと、政府の総合海洋政策本部が島民の生活を支援する基本方針をまとめた。
4月に有人国境離島法が成立したのを受けた措置で、渡航のための船舶、航空運賃を抑え、本土に比べて割高な生活物資の負担軽減を図る。雇用の創出や漁業経営の安定化策も講じていく。
人が住むことは、国防にとって大きな意味がある。不審船舶に目を光らせることができる。上陸を企てようという試み自体を、思いとどまらせる抑止効果も期待できる。政府には無人島も含めた総合的な取り組みを求めたい。
日本の領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積は世界6位を誇る。国境離島はエネルギーや鉱物資源の確保、漁業や海上輸送の自由と安全な航行など海洋秩序を守るための大きな国家的役割を担っている。
国境離島がひとたび無人化してしまうと、周辺諸国の介入を許す余地が生まれかねない。沖縄県の尖閣諸島をみれば多くの説明は要らないだろう。周辺の領海には9日も、中国の公船が侵入し、緊張が高まっている。
政府が「国境離島を守る」という強い意思を示すことは、反日国家やテロ集団に対するメッセージにもなる。島民の暮らしを守ることは国益に資するものだ。
国境離島を取り巻く環境は厳しい。物流や交通のための費用がかさみ、産業が成り立ちにくい。学校や病院の閉鎖を機に、島を離れる人も後を絶たない。
