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【産経抄】原爆の日とリオ五輪…負の記憶を宿して聖火はきょうも揺れている 8月7日

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【産経抄】
原爆の日とリオ五輪…負の記憶を宿して聖火はきょうも揺れている 8月7日

慰霊のためろうそくをささげる女性=6日早朝、広島市中区の平和記念公園(宮沢宗士郎撮影) 慰霊のためろうそくをささげる女性=6日早朝、広島市中区の平和記念公園(宮沢宗士郎撮影)

 司馬遼太郎が『時』という随筆に書き残している。〈日本語は、助詞の“を”という回転バネを置くだけで、自動詞がくるりと他動詞になる〉と。試みにバネを置くと「苗木が育つ」は「苗木を育てる」、「火が消える」は「火を消す」になる。〈を〉の向こうに人の手が見える。

 ▼戦時下でも日々の営みはごく自然に、そこにあった。「71年前、雲一つない明るい朝、空から死が落ちてきて…」。オバマ米大統領が広島訪問の際に行った演説には、明らかな誤りがある。「死が落ちて」きたのではない。「死を落とし」た人の手が確かにあった。

 ▼原爆投下から71年を経た広島で鎮魂の火が揺れ、同じ頃、地球の反対側で聖火台に火を点じる人の手があった。地軸という回転バネにより「火」は惨禍の象徴となり、平和の象徴にもなる。原爆忌とリオデジャネイロ五輪の開幕が時を重ねたのも何かの啓示だろう。

 ▼覚えておきたい史実がある。近代五輪の聖火リレーが最初に行われたのは1936年のベルリン大会だった。ギリシャで採火され、ハンガリー、オーストリアなど5カ国を巡って火はドイツにもたらされた。「古代と現代を結ぶ儀式」の宣伝は偽りだったとされる。

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