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【一筆多論】生きる意味のない命など存在しない 「差別の土壌」枯らそう 論説委員・中本哲也

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【一筆多論】
生きる意味のない命など存在しない 「差別の土壌」枯らそう 論説委員・中本哲也

「津久井やまゆり園」正門前に設けられた献花台に、大勢の人たちが花を手向けに訪れていた=7月29日午後、相模原市緑区(三尾郁恵撮影) 「津久井やまゆり園」正門前に設けられた献花台に、大勢の人たちが花を手向けに訪れていた=7月29日午後、相模原市緑区(三尾郁恵撮影)

 《障害の有無や個々の能力は関係ない。人の尊厳は命そのものにあるのだと思う》

 4月30日付の一筆多論の最後の段落を再掲した。重複になるが、学生時代に障害児のキャンプで出会った男の子のことを書く。

 年齢は5歳くらい。小児がんで、生後間もなく頭部の腫瘍の摘出手術を受けた際、左右の眼球を失ったという。

 身体障害と知的障害が重複し、自分で歩くことも言葉で意思を伝えることもできない。

 複合する重度障害がもたらす困難は、想像を絶するものであったに違いない。

 それでも、男児は生きてきたんだ。数え切れない困難の総和を上回る、強い強い「生きる力」で。

 眼球のない男児に出会ったときに感じた人の生命と尊厳の重さは、30年以上が過ぎた今も胸に残る。

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