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【産経抄】本当の国威とは 8月5日

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【産経抄】
本当の国威とは 8月5日

 リオデジャネイロ五輪が、日本時間で明日6日に開幕する。前回のロンドン五輪で日本は、史上最多となる38個のメダルを獲得した。それを上回ることができるのか。ちまたでは、メダル数を予想する声がかまびすしい。

 ▼もっとも作家の故阿久悠さんは、12年前のアテネ五輪を観戦して、こんな感想を小紙に寄せている。「大量のメダルを獲得するにも、奪い取り、もぎ取ったのと、誰もが納得して尊敬とともに与えられたのでは全く値打ちが違い、ぼくは後者の方を国威と感じる」。

 ▼残念ながら、ロシアは前者の考えにとらわれていた。国家ぐるみのドーピングの不正が明らかになり、多くの選手が出場の権利を奪われてしまった。

 ▼国威を国の輝きととらえれば、他のどの国よりもそれが問われているのは、ブラジルである。経済の落ち込みと政治の混乱で、何度も五輪開催が危ぶまれた。治安の悪化などを理由に、出場を辞退する有力選手が後を絶たない。何より気がかりなのは、国民の半分近くが、いまだに五輪開催に反対しているという、現地からの報道である。それでも無事に閉幕までこぎつければ、国民にとって大きな自信につながるはずだ。

 ▼日本でも昨日、東京五輪・パラリンピック関連のニュースが相次いだ。丸川珠代氏が五輪相に就任したのに続いて、安倍晋三首相と小池百合子東京都知事の会談も実現した。選挙でのわだかまりを乗り越え、政府と都の連携を確認したもようだ。野球・ソフトボールをはじめとする、5競技の追加種目採用も決まった。

 ▼「幼児が可愛(かわい)く、青年が美しい国が勝つのである」。五輪についての、阿久さんの名言である。そんな国威を世界に示すことができるのか。闘いはもう始まっている。

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