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【産経抄】時節に忠実なセミを見習いたい 7月24日

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【産経抄】
時節に忠実なセミを見習いたい 7月24日

 ちょうど今頃の時節、旧暦6月には「蝉(せみ)の羽月(はづき)」の異名がある。人々が袖を通す薄い着物がセミの羽を連想させる、というのが由来らしい。列島から梅雨前線がいとま乞いしたのを見計らい、曇天続きの東京でもミンミンとセミの唱和が始まった。

 ▼前線は退散したのに、関東や東北で梅雨明け宣言がないのは妙な気分である。と書くのは人間の勝手かもしれない。お天気博士の倉嶋厚さんがミンミンゼミを「梅雨明けゼミ」と呼んでいたのを思い出す。生き物はこちらの都合ではなく、季節に忠実に生きている。

 ▼倉嶋さんによると地球表面には年に約1000ミリの雨や雪が降る。大気中の水蒸気が一度に雨になったとしても25ミリで、残りは海水の蒸発と降水の繰り返しになる。陸の生物は「水の大循環」のおかげで生きている、と(『季節の366日話題事典』東京堂出版)。

 ▼首都圏の水源となるダムは、貯水量が平年の約6割という。「みなづき」は「水悩月(みずなやみづき)」が語源ともいわれる。「人は私がいないと私を求め、私がいると私の前から逃げる」は欧州のなぞなぞとか。答えは雨。水の悩みは古今東西を問わぬらしい。

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