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【産経抄】EUの混乱にほくそ笑むのは、腕力で国際秩序を挑発するロシアや中国ではないか 6月26日

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【産経抄】
EUの混乱にほくそ笑むのは、腕力で国際秩序を挑発するロシアや中国ではないか 6月26日

国民投票でEU離脱派が勝利し、国会議事堂前の公園で、英国旗を手に喜ぶ支持者=24日、ロンドン(共同) 国民投票でEU離脱派が勝利し、国会議事堂前の公園で、英国旗を手に喜ぶ支持者=24日、ロンドン(共同)

 英国人は「右向け右」の付和雷同を好まない。何事をなすにも一致協力が不得手で、他者とは距離を置きたがる。個人主義の国で学んだ経験を持つ数学者、藤原正彦さんが自著『遥かなるケンブリッジ』(新潮文庫)にそんな所感を残していた。

 ▼『ハムレット』にも「誰かれかまわず握手して、手の皮を厚くするな」のセリフが出てくる。悲劇や喜劇の背骨をなす独特のユーモアも、自分と物事を隔てる「距離感」があってこそ成り立つのだろう。グローバル化の潮流の中では厄介な国民気質というほかない。

 ▼勝者の言葉によれば「独立記念日」という。欧州連合(EU)との「距離感」を問うた英国の国民投票は、離脱派が残留派を上回った。各国の首脳や識者が離脱に伴う「深刻なリスク」を説いてきたにもかかわらず、欧州大陸と距離を置くことがよほど大事らしい。

 ▼EU内での負担に見合う利益を得られず、移民に職を奪われる。実利重視の国からすれば、忍従の日々に鼻持ちならぬ憤りはあったろう。国際秩序と巨大経済圏の主軸から降りる選択はしかし、金融市場の動揺という最悪の結果を招いた。浅慮のそしりは免れまい。

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