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【ソウルからヨボセヨ】別所前大使の心残りは… 放置されたままの大使館前の「慰安婦像」 黒田勝弘

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【ソウルからヨボセヨ】
別所前大使の心残りは… 放置されたままの大使館前の「慰安婦像」 黒田勝弘

 別所浩郎・前駐韓大使(63)が来週、ソウルから次の任地のニューヨークに向かう。駐韓大使3年8カ月は歴代2番目に長く、ソウルからさらに国連大使などという激務への転身は異例だ。英語が達者で見栄えも貫禄があり、より広い舞台での活躍が期待される。国連事務総長は韓国人の潘基文(パン・ギムン)氏だし。

 筆者は在任最長の須之部量三大使(1977~81年)以来、14人の大使を経験してきたが、別所大使は歴代ベスト5に入るだろう。日韓関係が困難な時期に頑張ったし、北東アジア課長など若い時代に比べると記者たちとともにありたいとの姿勢がうかがわれた。その時々の情勢展望や外交展開などで記者たちにメッセージを伝えようと、よく気を使っていた。

 今回の日本外務省の主要人事では、杉山晋輔次官や金杉憲治アジア大洋州局長をふくめ“韓国通”の起用が目立つ。人事の都合で偶然かもしれないが、韓国側の日本通後退とは対照的だ。

 しかし日本の韓国通は今や昔と違って、歴史や情緒重視の対韓特別配慮論より、国際的な法秩序や常識重視論になっている。慰安婦問題の日韓合意は別所大使の“功績”でもあるが、その意味では国内法、国際法に反する日本大使館前の“嫌悪施設”である慰安婦像が放置されたままの離任は心残りだろう。(黒田勝弘)

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