産経ニュース

【産経抄】水の月 6月9日

ニュース コラム

記事詳細

更新

【産経抄】
水の月 6月9日

 レオナルド・ダビンチによって、16世紀に誕生した「モナリザ」は、多くの謎を抱えている。元国土交通官僚の竹村公太郎さんは、モナリザの背景を横切るように描かれている川に注目した。画面の川は、一体どちらが上流で、どちらが下流なのか。

 ▼竹村さんは一つの仮説を立てた。川は左右に2本あり、それぞれがモナリザの心臓に流れ込んでいく。モナリザは「川の無限のエネルギー」を吸収して、「永遠の生命」を手に入れた、というのだ(『日本文明の謎を解く』)。

 ▼モナリザが展示されているのは、パリのルーブル美術館である。その近くを流れるセーヌ川が、大変なことになっている。フランス各地で数日続いた豪雨によって、一時は過去30年間で最も水位が高くなった。浸水被害を避けるため、美術館がモナリザをはじめ、収蔵品を安全な場所に移したほどだ。

 ▼一方、九州、近畿に続いて、梅雨入りしたはずの関東地方では、水不足の心配が出てきた。首都圏に水を供給する利根川上流の8つのダムの貯水率は、7日現在で5割を切った。過去25年間で最低の水準となっている。週内にまとまった雨が降らなければ、来週にも取水制限の検討が始まる。

「ニュース」のランキング