産経ニュース

【産経抄】「日本は負けても真珠は負けておらぬ」伊勢志摩から世界をあっと言わせる処方箋 5月25日

ニュース コラム

記事詳細

更新

【産経抄】
「日本は負けても真珠は負けておらぬ」伊勢志摩から世界をあっと言わせる処方箋 5月25日

 伊勢志摩サミットの主会場となる三重県志摩市の志摩観光ホテルは、多くの作家たちに愛されてきた。その一人、山崎豊子は、『華麗なる一族』の冒頭で、賢島(かしこじま)にあるホテルのレストランから望む落日を描いている。

 ▼「陽が傾き、潮が満ちはじめると、志摩半島の英虞(あご)湾に華麗な黄昏(たそがれ)が訪れる」。英虞湾は明治26年、御木本(みきもと)幸吉が世界で初めて真珠養殖に成功した、「真珠のふるさと」でもある。現在も、約9千の真珠筏(いかだ)がひしめいている。

 ▼地元のうどん屋の長男に生まれた御木本は、海産物の販売をしているうちに、真珠養殖のアイデアを思いつく。何度も失敗を重ね、全財産を失った。5年後ついに妻が開いた貝のなかに、ピカリと光る半円球の真珠を見いだす。

 ▼後に「真珠王」と呼ばれる御木本は、世間をあっと言わせる数多くのエピソードでも知られた。「世界中の女の首を真珠でしめてごらんにいれます」。明治天皇の前で切った大見得(おおみえ)も、そのひとつである。欧米視察の旅の途中に、発明王エジソンと発明談議も交わしている。

「ニュース」のランキング