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【正論】時代遅れのGDPにこだわるな 目先の数値に踊らされるのは愚の骨頂だ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

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【正論】
時代遅れのGDPにこだわるな 目先の数値に踊らされるのは愚の骨頂だ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

吉崎達彦氏 吉崎達彦氏

 しかるに昨今の企業としては、今さら工場増設や新本社ビル建設ではないだろう。むしろ、ブランドや技術や特許といった無形資産への投資が増えているはずだが、現在の統計ではそういう動きを把握できていない恐れがある。

 アダム・スミスが『国富論』を書いた昔には、モノづくりだけが付加価値であって、サービスは国民所得だと見なされていなかった。当時、英国貴族の家庭教師を務めていたアダム・スミスは「使用人はその主人にとってのコストにすぎず、何の価値も生まない」と見なしていた。

 かかる「サービス業軽視」の姿勢はカール・マルクスも賛同するところとなり、旧ソ連などの社会主義国経済にも引き継がれた。しかし今どき「サービス業に付加価値はない」と断じる人はいないだろう。つまり経済統計というものは、時代の変化に合わせてどんどん見直さねばならないのである。

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