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【正論】「民主主義」に善悪のレッテル貼る傲慢さ いま熟慮すべきことは何か? 日本大学教授・先崎彰容

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【正論】
「民主主義」に善悪のレッテル貼る傲慢さ いま熟慮すべきことは何か? 日本大学教授・先崎彰容

先崎彰容・日本大学教授 先崎彰容・日本大学教授

 幽霊の特徴のひとつに足がついていない、というものがある。足元は消えていて、地上からふわりと浮いている。姿全体がかすんで見えにくい。

 この存在の危うさこそ、実は現在、私たちの周囲を囲繞(いじょう)している「民主主義」という言葉の特徴を示しているのではないか。

 ≪シュミットが与えた思想的影響≫

 そもそも、第二次安倍晋三政権が誕生してからというもの、前回の衆院選後は特に、民主主義への懐疑がささやかれるようになった。その特徴は、これまで民主主義を擁護するように思われた人びとの中から、民主主義を批判する言葉が現れたことである。

 たとえば、現行の選挙制度を運用する限り、どうやら安倍政権の「一強多弱」の状況を早々に覆すことはできそうにない。

 なぜだ、なぜ自分たちの思惑どおりに、政権を選挙で倒せないのか。答えは2つ。第1に、選挙で投票する民衆たちが「大衆化」してしまったからだ。彼らはその時々の風評に乗り、あるいは目先の経済成長ばかりを優先する愚民であり、時代を「的確」に-それは安倍政権を否定するという意味である-捉えることができない。そして第2に、民主主義それ自身のなかに、実は独裁者を生みだす傾向があるからだ。最良の例が、ヒトラーを生み出した第一次大戦後のドイツ民主主義である。

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