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【産経抄】世界でいちばん貧しい大統領 4月4日

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【産経抄】
世界でいちばん貧しい大統領 4月4日

 2012年6月、ブラジルで開かれた国連の会議で、各国の代表者のスピーチが続いていた。南米の小国、ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領の順番は、国連加盟国193カ国の最後だった。

 ▼「ドイツ人が1世帯で持つ車と同数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるのだろう」。質素な背広にネクタイなし、チョビひげ姿の老人が、身ぶり手ぶりを交えて世界が直面する危機について訴えた。聴衆はまばらだった。

 ▼ところが、インターネットで紹介されると、評判は世界に広がっていく。日本でも、スピーチを題材にした絵本の発行部数が16万部を超えたほどだ。昨年大統領を退いたムヒカさん(80)が明日、初めて日本を訪れる。

 ▼ムヒカさんは、元極左ゲリラの経歴も持つ。政治家の誘拐や強盗の罪で、4回投獄され、2回脱獄している。警官から銃弾を受け、生死の境をさまよいもした。大統領在任中は、「粗悪な麻薬の方が危険」との理由で、マリフアナの合法化に踏み切っている。

 ▼なにより話題になったのが、「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれるほどの質素な生活ぶりである。豪華な大統領公邸には住まず、首都郊外の農場での夫人と犬や猫との暮らしを愛した。報酬の7割近くを寄付し、愛車は1987年製のフォルクスワーゲンである。

 ▼そんなムヒカさんの目に、日本はどんなふうに映るのだろう。折しも、舛添要一東京都知事による大名旅行のような海外出張に批判の声が上がっている。都職員らを含めた総勢20人が昨秋ロンドン・パリを訪れた際の費用は、5000万円を超えた。知事が泊まったのは、1泊19万8000円もする一流ホテルのスイートルームである。ムヒカさんに感想を聞いてみたい。

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