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【日本の未来を考える】AIが生み出した時間のゆとりを人はどう使うのか 東大・大学院教授 伊藤元重

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【日本の未来を考える】
AIが生み出した時間のゆとりを人はどう使うのか 東大・大学院教授 伊藤元重

 ずいぶん前から言われてきたことだが、「働く」という言葉には3つの英語が対応する。もっとも古くからの働き方はレイバーだ。牛や馬と同じような肉体労働のイメージだ。多くのレイバーは、産業革命によって機械に置き換わった。当時の労働者は機械が自分たちの仕事を奪うと怒って、打ち壊し運動が広がった。気持ちは分かるが、いまから見れば滑稽な風景だ。確かに、産業革命はレイバーとしての仕事を奪ったかもしれないが、それによって多くの労働者が苦しい肉体労働から解放されたのだ。

 さて、産業革命を経て、多くの労働はレイバーからワークに変わった。機械を操作した物づくり、デスクワーク、営業などの仕事だ。このワークの仕事が、いまインターネットやAIによって奪われようとしている。AIによって失われる仕事のリストとは、どれだけのワークが消えるのかを示したものだ。その過程で、求人数の減少や賃金低下など厳しい動きも出てくるだろう。産業革命で多くのレイバーの仕事がなくなったように情報革命でワークの仕事がなくなろうとしているのだ。

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