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【風を読む】銃と文化と憲法と 論説副委員長・別府育郎

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【風を読む】
銃と文化と憲法と 論説副委員長・別府育郎

 オバマ氏の涙の訴えもむなしく、米大統領選の争点は「トランプ氏」に終始し、銃規制をめぐる話題はとんと聞こえてこない。

 ミシガン州では2月、45歳の男が無差別に銃を発砲し、6人が亡くなった。他国の内政問題ではあるが、国中に銃があふれる米国の現状は、やはり異常である。1992年のハロウィーンには、訪問先を間違えただけの日本人留学生が射殺された。2013年には5歳の兄が自宅で銃を誤射し、2歳の妹が死亡した。

 学校や商店を舞台とする乱射事件も後を絶たない。米国の13年の殺人発生率は人口10万人あたり約3・8人。隣国カナダ(約1・4人)の倍以上で、日本(約0・3人)を大きく上回る。銃が身近な存在であることと、無縁ではあるまい。

 規制を阻んでいるのは、「文化」と「憲法」である。

 銃の所持は独立戦争以来の米国の文化だとして、規制への反対は根強い。合衆国憲法修正第2条は「人民が武器を保有しまた携帯する権利はこれを侵してはならない」とうたっている。連邦最高裁は10年、州などが個人の銃保有を禁止することを違憲と判断したばかりだ。

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