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【産経抄】米大統領選、極論を受け入れるのか 「暴言は命取り」鉄則当てはまらぬ今回 3月1日

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【産経抄】
米大統領選、極論を受け入れるのか 「暴言は命取り」鉄則当てはまらぬ今回 3月1日

 米大統領選では、失言や暴言が命取りとなる。1964年の選挙でのそれは、共和党のゴールドウォーター候補が口にしたとされる、下品なジョークだった。「クレムリンの男子トイレに、爆弾をぶちこんでやれ」。

 ▼民主党のジョンソン大統領陣営は、見逃さなかった。後に語り草となる、テレビコマーシャルを流す。3歳の女児が、1枚、2枚とヒナギクの花びらを数えていると、いつのまにか男の声でカウントダウンが始まる。やがて轟音(ごうおん)とともに流れるのがキノコ雲の映像である。

 ▼人物の名前や核兵器という言葉は、一切使われていない。それでも、視聴者は強烈なメッセージを受け取っていた。ゴールドウォーターが当選したら、核戦争を始めるかもしれない。かくしてジョンソン大統領は、大勝利を収めた。

 ▼今回の大統領選では、冒頭の「鉄則」が当てはまらない。共和党のトランプ候補は、立候補以来、世界中があきれかえる暴言や差別発言を繰り返してきた。にもかかわらず、候補指名争いで独走を続けている。専門家の誰もが、予想しなかった事態である。

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