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【産経抄】夜の鶴 2月16日

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【産経抄】
夜の鶴 2月16日

 国内最大のツルの越冬地、鹿児島県出水(いずみ)市の出水平野から、ツルの群れの飛び去る姿が目立ってきた。繁殖地の中国東北部やシベリアへ向かう、「北帰行」が始まったのだ。来季は再び、親子で仲良くエサをついばむ、ほほえましい光景を見せてくれるだろう。

 ▼こんな春の便りとは裏腹に、心が凍りつくようなニュースも続いている。大阪府警は14日、6歳の男児を全裸で浴室に閉じ込めた、枚方市に住む母親(32)と内縁の夫(28)を逮捕した。「パチンコに行くのに邪魔だった」という理由に言葉もない。寒さに震えながらも男児が無事だったのが、ただ一つの救いである。

 ▼先月、埼玉県狭山市のマンションで見つかった3歳の女児の遺体には、母親と交際相手による執拗(しつよう)な虐待の痕が残っていた。東京都大田区では、3歳の男児が「ママ、苦しい」と言い残して亡くなった。交際相手の男の激しい暴力を母親は止められなかった。母親の図った無理心中によって、子供の命が奪われる事件も相次いでいる。

 ▼「夜の鶴」という言葉がある。子を思う親心を表す。寒い夜、ツルは自分の翼で、子を温めてやるというのだ。実際ツルの抱卵が始まると、オスとメスが協力しあって、約1カ月休みなく温め続けるそうだ。

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