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【産経抄】諜報と粛清の国「ロシア」との交渉には周到な筋立てが必要だ 1月24日

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【産経抄】
諜報と粛清の国「ロシア」との交渉には周到な筋立てが必要だ 1月24日

 すぐれた推理小説は3つの要点を押さえているという。一見、明白に誰が犯人か分かる。同時にどうも犯人ではないとにおわせる。読み進めるほど「その男が殺せるわけがない」と読者に思い込ませることだ、と。

 ▼アガサ・クリスティが自伝(早川書房、乾信一郎訳)で説いた創作作法である。三段構えの筋立ては、探偵ポワロの謎解きを引き立てる隠し味だろう。ある作品ではたばこから抽出したニコチンで、犯人にポワロを狙わせた。クリスティ女史の着想には脱帽するが、名探偵の渋い顔も目に浮かぶ。

 ▼黒幕にとって降りかかる火の粉はお構いなしか。動機は明白、使った毒物から足がつき-と筋立てが稚拙なだけに、気味が悪い。プーチン政権を批判したロシア情報機関の元中佐が、ロンドンで毒殺された2006年の事件である。

 ▼実行犯は2人のロシア人とされ、犯行に使われた放射性物質ポロニウムは、ロシア西部の閉鎖都市でしか作られていないという。政府の差し金を疑われるのは、やむを得ない。英国側はプーチン大統領の承認を得た犯行とみている。

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