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【リーダーを培う信念】多様性受け入れる柔軟さを サッポロホールディングス社長兼グループCEO・上條努氏

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【リーダーを培う信念】
多様性受け入れる柔軟さを サッポロホールディングス社長兼グループCEO・上條努氏

サッポロホールディングス社長兼グループCEO 上條努氏

 さらに国民の大部分は仏教徒でアルコールに対する宗教上の禁忌もなく、ビール醸造に不可欠の衛生意識も高い。そして“ニッポン大好き”のお国柄といったことが、私がベトナムに工場進出を決断した要因でした。

 このように海外での事業展開には数字で見える要素のほかに、さまざまな社会的・文化的な要素を勘案しなければなりません。最近、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が大筋合意に達しましたが、これで、関税がたとえゼロになったとしても、新興国の場合、個別事業に非関税障壁を設けていることがありますから、貿易自由化が一足飛びに進展することにはならず、慎重な経営決断を迫られます。

 そして、経営者が一たび決断すれば、その意を体して実行するグローバルな知識と実行力を備えた「人財」が必要です。「人こそ企業の最大の財(たから)」という意味であえて「財」を使いますが、だからこそその育成は企業の命運を左右する重大事です。

 私はサッポロ創立100周年の昭和51年に入社、31歳でアメリカ駐在となり、帰国後も海外事業部や経営企画部などで国際事業に携わりました。海外の方たちとの交流から導き出した一つの教訓があります。

 「ダイバーシティーが伴っていないとグローバルな事業はできない」

 あらゆる多様性を受け入れることのできる柔軟さこそが、グローバル時代を生きるビジネスマンの必須条件です。そのためにも若い人たちには「自分の目で確かめる」生きようを貫いてほしいと思います。

 中央大学・産経新聞社寄付講座から再構成

 【プロフィル】上條努

 かみじょう・つとむ〉慶大法卒。昭和51年、サッポロビール入社。営業企画部長、取締役兼常務執行役員を経て、平成23年、サッポロホールディングス代表取締役社長グループCEO就任。

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