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【正論】「ミニ・ソ連」再興こそがプーチン大統領の白昼夢なのだ 北海道大名誉教授・木村汎

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【正論】
「ミニ・ソ連」再興こそがプーチン大統領の白昼夢なのだ 北海道大名誉教授・木村汎

 ソ連邦は、1991年12月に崩壊。早いもので、今年は25周年に当たる。冷戦終結は、既に2年前の89年12月にブッシュ米大統領とゴルバチョフ・ソ連邦最高会議議長によって口頭で宣言されていた。とはいえ実際終焉したのは、ソ連解体後とみなすべきだろう。

糾合できない旧構成国

 もっと重要なことがある。人間の心理や営みは複雑で、国際政治は決して一直線を描くような形で進行しない。揺り戻しを含むある程度の紆余曲折は当たり前である。実際、その後のロシアではソ連邦復活の試みが後を絶たない。国際場裡でも「冷戦の再開」と騒がれる事態すら発生している。

 ソ連崩壊は無念千万-。プーチン現大統領がこのような思いを抱いていることは間違いない。大統領は2つの発言を行った。まず、2003年に述べた「ソ連崩壊を惜しまない者には、心(ハート)がない。だが、その復活を欲する者には、頭(ブレーン)がない」。05年には多くの評論家が引用する有名な言葉を語った。「ソ連邦の解体は20世紀最大の地政学的な大惨事である」。確かに後者のほうが大統領の本音に近く、「ミニ・ソ連邦」の復活こそがプーチン氏の強い願望に違いない。

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