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【正論】情報収集能力と発信力を強化し、新たな勢力均衡の時代に備えよ 三浦瑠麗

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【正論】
情報収集能力と発信力を強化し、新たな勢力均衡の時代に備えよ 三浦瑠麗

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)問題に世界が揺れている。テロの直接的な脅威を超えて、現在の国際社会が直面する新たな力関係を浮き彫りにしているからだ。

 《繰り返される中東の混乱》

 11月に起きたパリの同時多発テロを受けて、いわゆる有志連合のIS掃討に向けた動きは勢いづいている。米仏露はシリア空爆を強化し、これに英国も加わった。周辺の地域大国もさまざまな思惑含みで関与を強めている。ISは中国国内のウイグル人に対しても宣伝戦を強化しており、主要な大国のすべてが「打倒IS」の意思を表明している。だが、その意思によって中東の現実を変化させられるかは未知数である。

 拡大された有志連合が軍事介入を本格化し、特に地上部隊の投入となれば、ISの諸勢力を滅ぼすことは可能なはずである。しかし、それはISという名を持たないが、限りなくISに近い存在としての新たな勢力を生み出すことにつながるだろう。一部のムスリムの不満のエネルギーが過激主義と結びつく限り、グローバル・ジハードという発想はなくならない。それこそが、繰り返されてきた中東の混乱の構図である。

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