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【正論】養子縁組中心の児童福祉実現を 日本財団会長・笹川陽平

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【正論】
養子縁組中心の児童福祉実現を 日本財団会長・笹川陽平

 いじめの増加など、子供をめぐる環境は複雑、多様化しており、対応に追われるあまり、時間がかかる里親や養子縁組が敬遠される現実もある。施設には、入所人数をベースに自治体から運営費が支給されており、急激な家庭養護への切り替えが施設運営上、歓迎されない面があるようだ。

 こうした現実を打開するためにも児童福祉法の改正では、国や自治体が子供に安定した家庭環境を提供する義務と責任を負うことを確認、その上で養子縁組の優先を明確にする必要がある。

 養子縁組を加速させるため児童相談所に専門職を配置する必要もあろう。資格化を検討するのも一考である。

 ≪現行予算の枠内でも見直し可能≫

 次いで養子縁組推進法の制定。現在、国内では15を超す民間団体が養子縁組の斡旋活動をしているが、都道府県への届け出制で、実務にもバラつきがある。許可制に切り替え、実母へのカウンセリングや養親の家庭調査、養子縁組後の支援義務などの基準を設けることが民間活動を活性化させ、国民の理解を広げる道と考える。

 03年度から10年間に報告された0歳児の虐待死は計240件。うち111件は0歳0カ月、出産直後に命を奪われていた。生みの親が養子縁組の存在を知っていれば、別の解決法を選択できたケースもあったはずだ。

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