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【正論】GHQによるコピペ(盗用)にすぎない現行憲法を放置してよいのか 西修(駒沢大名誉教授)

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【正論】
GHQによるコピペ(盗用)にすぎない現行憲法を放置してよいのか 西修(駒沢大名誉教授)

 一つは、連合国軍総司令部(GHQ)で、日本国憲法の原案たる『総司令部案』を作成するにあたって、わずか1週間ほどの期間しか与えられていなかったことである。1週間程度で、いやしくも一国の憲法を作成することは至難の業である。いきおい、手元にある文書のなかから、作成者の好みに合う文章をつぎはぎすることになった。

 上記の文章中、たとえば「専制と隷従(英文はslavery=奴隷状態)」、「圧迫と偏狭」などの文言は、第二次世界大戦中の1943年時であれば、新鮮で強力なインパクトをもっていたといえるが、戦後70年を経た今日、これらの用語を残しておくことに必然性をもちうるだろうか。

 二つは、前文について、日本側との折衝過程で、ほとんど議論されなかったことである。昭和21年2月13日、『総司令部案』を受け取った憲法担当国務大臣、松本烝治は、翌3月4日、同案に付されていた前文を削除した憲法案(『3月2日案』)をGHQへ持参した。

 この日から翌日にかけて、徹夜の折衝がおこなわれ、天皇の地位や権能、人権、国会の構成などについては激論がたたかわされたが、前文に関しては、松本大臣の試みが完全にしりぞけられ、『総司令部案』の前文がそのままの文面で復活した。その後の政府案の作成、帝国議会での審議などで、表現が微修正されただけで、詰めた議論がなされたとは言い難い。

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