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【産経抄】木の文化を発信する 12月16日

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【産経抄】
木の文化を発信する 12月16日

 法隆寺の「昭和の大修理」は、昭和9年から20年間に及んだ。現存する世界最古の木造建造物の修理に、棟梁(とうりょう)として取り組んだのが、宮大工の故西岡常一(つねかず)さんである。

 ▼屋根瓦をはずし、屋根土をおろすと、支えていた垂木は重みで曲がっていた。ところが2、3日すると元の形、すなわち1300年前の姿に戻っていた。使われているのは、樹齢千年を超えるヒノキである。「千年のヒノキは千年もつ。木は鉄より長生きする」。これが、西岡さんの持論だった。

 ▼新国立競技場の新たな計画案は、2案のみだった。A案では、外周部に植栽を配置し、屋根のひさし部分には、垂木を想起させるデザインを施している。提案書には、法隆寺五重塔の写真が添付されていた。

 ▼B案では、72本の純木製の柱が、スタンドを支える構造となっている。発想の基になったのは、青森県の三内丸山遺跡などで見られる巨木を利用した柱の跡らしい。縄文時代の巨木文化は、出雲大社との関わりも指摘されている。平成12年に境内で見つかった、直径1・3メートルの杉の大木を3本束ねた柱は、その後の調査で、鎌倉時代に再建された本殿で使われていたとわかる。当時の高さは、現在の倍近く、48メートルもあったらしい。

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