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【主張】オウム被告に無罪 裁判員の意義を問い直せ

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【主張】
オウム被告に無罪 裁判員の意義を問い直せ

 証言の信用性に立ちはだかる壁は、事件後20年の歳月だった。だがこれは、被告自身が17年間の逃亡でつくったものでもある。

 教団は当時、既に地下鉄サリン事件など数々の凶悪犯罪を起こしており、被告にテロ関与の認識が全くなかったことは不自然であると、誰もがまず考える。

 それが日常感覚であり、常識というものなのではないか。

 爆発物によって手の指を失った被害者は「長年逃亡し、罪の意識はあったはずだ」と悔しさをにじませた。合議を重ねて1審判決を導き出した裁判員らも、無力感にさいなまれているだろう。

 東京高裁の大島隆明裁判長は被告に無罪を告げた後、「法律的には無罪だが、あなたの行為が重大な結果を招いた。自分の中で整理してほしい」と説諭した。被告は深々と頭を下げたという。

 重大な結果を招いた行為が、法律的に無罪であるという裁判の結末こそが、被害者や一般国民に一番分かりにくいのではないか。

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