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【大阪特派員】知られざる恩人、五代友厚 山上直子

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【大阪特派員】
知られざる恩人、五代友厚 山上直子

 維新か非維新か-。選択を迫った大阪ダブル選挙が雌雄を決した。これから問われるのはリーダーの実践力だが、ことさら経済は待ったなしである。150年ほど昔の話だが、明治維新後の大阪で、その実践力に優れ、今も「恩人」と呼ばれるリーダーがいたことをご存じだろうか。

 薩摩藩出身のその人は、東京で亡くなったのに、わざわざ大阪で葬儀が営まれた。経済界から市民まで、約4300人が会葬してその死を悼んだという。また、知る人ぞ知る有名人でもあった。

 例えば、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」によると、坂本龍馬の大切な友人だった。織田作之助に至っては、「明治の大阪の指導者として、右に出る人は一人もいない」と書いたほど。ともに大阪で新聞記者をしていた作家らの目には、この人、つまり五代友厚(1835~85年)という薩摩人は、なかなかの傑物と映ったのだ。

 実はその五代、現在放送中のNHK連続テレビ小説「あさが来た」で、毎日のように画面に登場している。主人公・白岡あさ(モデルは女傑と呼ばれた三井家出身の実業家・広岡浅子)の師、メンター的存在として描かれ、女性ながら銀行や鉱山事業を手がけていくあさに、知識や発想を与え示唆する人物…という役どころだ。

 とはいえ、実際に2人が出会ったという史実はないらしい。ドラマはあくまでフィクションだが、五代が敷いた近代経済インフラの上に、あさの事業が成り立っていったのは事実である。そう広くもない大阪財界の有名人同士、広岡浅子と五代に面識があった…と想像するのも楽しい。

 では五代の何がどうすごいのか。その実績を挙げてみよう。

 まずは、大阪商工会議所を創設して初代会頭を務めている。春の風物詩「桜の通り抜け」で知られる大阪造幣局や現在の大阪取引所、大阪市立大学の前身を創設したのも五代だ。

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