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【正論】もしISが大量破壊兵器を手にしたら…テロリストに妥協の余地はないとなぜ分からぬか? 田久保忠衛(杏林大名誉教授)

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【正論】
もしISが大量破壊兵器を手にしたら…テロリストに妥協の余地はないとなぜ分からぬか? 田久保忠衛(杏林大名誉教授)

 狼老年の戯言と笑われても悲観的にならざるを得ない。2001年9月11日の米同時多発テロの際における犯人はアルカーイダで、私には一つの点に見えた。首謀者のウサマ・ビンラーディンは11年に米国に殺害されたが、アルカーイダその他類似のイスラム勢力の犯行は続き、点はさながら線を形成した。その結果、シリアとイラクにまたがるイスラム国(IS)と称する、国家ではないテロリスト集団が、日本とほぼ同じ大きさで面を実効支配するに至った。

 ≪IS「包囲網」の効果≫

 さらに、この面から正式なビザ(査証)を持って自国とシリアを往復する者、移民や難民に紛れ込む者が、居住国を狙ういわゆるホームグロウン・テロという新しい事態を生んでいる。大量破壊兵器である核・化学・生物兵器の一つでも彼らの手に渡った場合、世界全体はパニックに陥る。危険は近づいているように思われる。

 オランド仏大統領は、パリの惨劇に「これは戦争行為だ」と叫び、ISの本拠地と目されているシリアのラッカにすぐ猛爆撃を加えている。アラブ首長国連邦とヨルダンにある基地から飛び立ったフランスの爆撃機は11月15日だけで司令センター、軍事訓練施設、武器庫に目標を絞って20個の爆弾を投下したとの発表を読んだが、どうもピンと来ない。

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