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【話の肖像画】影絵作家・藤城清治(4)感情豊かなケロヨンの魅力

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【話の肖像画】
影絵作家・藤城清治(4)感情豊かなケロヨンの魅力

国民的キャラクターとなったケロヨン(右)と=平成26年

 〈昭和27年にテレビの試験放送が始まると、NHKと契約を結び、影絵などを使った番組制作にも携わった〉

 試験放送で表示される番組のタイトル作りやドラマの背景など、いろんなことをやらせてもらいました。「せむしの仔馬(こうま)」(ロシアの童話)の影絵劇を1時間半、ノーカットで流すという、実験的なこともやりました。当時は全て生放送ですから、演奏も「生」。作曲家の伊福部昭さんに指揮をしてもらい、後にも先にもない、貴重な経験でしたね。

 作曲家の芥川也寸志さんに演奏を頼んだこともあるし、NHK放送劇団の研究生だった黒柳徹子さんとも仕事をしました。僕は「暮しの手帖」で編集や印刷に詳しくなり、映像やテレビのことも知ることができた。最先端のいろんな人たちとの出会いが、僕の糧になっています。

 〈32年にはTBS「影絵名作アルバム」の放送が開始。41年からは、日本テレビで自身の劇団「木馬座」がスポンサーを務める「木馬座アワー」が始まり、カエルの着ぐるみキャラクター「ケロヨン」が人気を集めた〉

 僕は「影絵作家」と呼ばれるのだけれども、「影絵だけの人間じゃないぞ」という気持ちが強いんですね。でも、なかなか絵や人形劇の仕事を頼みに来る人はいない。当時は資金的にも多少の余裕があったので、ならば、自分でお金を出してやろうと思った。それで「木馬座アワー」を始めたんです。

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