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【産経抄】藪をつついて蛇を出した民主党

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【産経抄】
藪をつついて蛇を出した民主党

 民主党は、藪(やぶ)をつついて蛇を出してしまった。ジャーナリストの櫻井よしこさんがNHK番組で岡田克也代表らについて述べた発言に撤回と謝罪を求める質問状を送り、手厳しい反論をくらったのである。かえって自分たちの無定見ぶりをさらす結果となった。

 ▼櫻井さんが、「集団的自衛権の行使はいらない」と言った岡田氏について「180度の転換」と指摘したことについて、民主党は「誤解を与える」と抗議した。だが、岡田氏はかつて、明言はしないものの集団的自衛権の行使容認とも受け取れる発言を繰り返している。

 ▼民主党は、岡田氏は集団的自衛権行使に関し未来永劫(えいごう)、すべて否定するようなイデオロギー的な考えはとっておらず、「180度の転換」は誤りだと再質問したが、「170度」か「175度」ならばよかったのか。曖昧模糊(もこ)としている。

 ▼そもそも民主党内にも、行使容認論者は少なくない。野田佳彦元首相は著書で「やはり認めるべきだ」と明言する。玄葉光一郎元外相は平成25年11月のシンポジウムで赤裸々に本音を述べていた。「(憲法)解釈見直しは、自民党政権のうちにきちっとやってほしい」。

 ▼前原誠司元外相や長島昭久元防衛副大臣も行使容認派だ。今回の安全保障関連法の審議での奇観は、こうした人たちが、積極的に声を上げたり、感情論にとらわれた同僚議員らをたしなめたりする場面がほとんどなかったことだ。

 ▼結局、安保関連法を憲法違反だと批判するためには、内なる行使容認論は都合が悪く、引っ込めざるをえなかったのだろう。民主党は今夏、流動的で急変する国際環境に向き合う安保政策の選択肢を失った。このまま硬直化して旧社会党化するようでは、二度と政権は担えまい。

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