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【「改革」あれこれ】安保法が意味するもの JR東海名誉会長・葛西敬之

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【「改革」あれこれ】
安保法が意味するもの JR東海名誉会長・葛西敬之

 米ソが互いを破壊し尽くせる力を持って対峙(たいじ)した結果、戦うことなくソ連が崩壊し冷戦は終了した。この究極の勢力均衡が生む抑止力の傘下にあるものは武力紛争に巻き込まれない。米ソ冷戦の歴史と日本の完全な平和がこの定理を証明している。

 いま20世紀の冷戦体制は終了したが、21世紀の枠組みはまだ見えていない。しかし中国が軍事大国化したことと、米国の力が相対化し、日米同盟による抑止力を維持するためには日本にも一定の貢献が求められるようになったことは確かである。

 この現実に立って日本の平和と安全を考えるならば、「積極的平和主義」による日米同盟の抑止力維持は不可欠である。中国は日米同盟が不動のものであると認識したときに初めて合理的で友好的な隣国となるだろう。逆に分断可能と見れば中国は勢力拡大を図って介入してくる。今回の安保法制により日本は平和と混迷の分岐路を正しく渡ったのであり、正に平和な21世紀のためのエポックだったと思うのである。

 第2には辛くも議会民主制の基本が守られたことである。議会民主制は憲法に定められた選挙によって選ばれた多数に任期中の政策決定・遂行を委ねる制度である。安保法制は昨年の総選挙の時点で既にその大綱が閣議決定されており、与党は国民の圧倒的信任を受けている。

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