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【正論】成立「安保法制」 安保の歪み正した首相の指導力 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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【正論】
成立「安保法制」 安保の歪み正した首相の指導力 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

 安倍首相に悪罵(あくば)を公然と投げた先生は、日本の積極的平和主義と安保法制に50カ国以上が賛成を表明した事実を知っているのだろうか。中国と関係が深いカンボジア、ラオスを含めてアジアの主要国はすべて含まれている。安保法案が衆議院を通った段階ですぐに祝意を伝えてきたのはフィリピン、ベトナム、オーストラリアなどだが、法案反対者はこれらの国の指導者を「人間的でなく、たたき斬る」相手だとでも思っているのだろうか。平壌や北京で最高指導者を同じ表現で批判したら、どのような事態が起こるかも悟ってほしい。

 ≪行き着くところは憲法改正だ≫

 それにしても、事実に基づかない「戦争法案」「違憲法案」「徴兵制反対」のプラカードが示すように、俗耳に入りやすい用語を宣伝に利用する方法に野党はたけていた。共産党議員は公共放送NHKでデモ参加を呼びかけた。

 これに対する政府・与党の対応は野党側が狙い撃ちしている各論の細かい論争に引きずり込まれ、反論をPRするタイミングも遅すぎる。衆院審議では北朝鮮の脅威だけを強調したかと思うと、参院審議に入って中国への言及が増えるなど不自然な対応も目立った。

 おしなべて条文の解釈を説明するだけで人の心を打つ情熱は感じられなかった。ただ、自衛隊OBの西元徹也元統合幕僚会議議長の話だけは、普通の国の軍隊と自衛隊の相違がどこにあるかを体験を通じて解説し、法案を貫く精神を知る上で説得力があった。

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