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【産経抄】俺は聞いてない 忘れられた「ホウレンソウ」 9月17日

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【産経抄】
俺は聞いてない 忘れられた「ホウレンソウ」 9月17日

 歌手の岩崎宏美さんは、小紙のインタビュー記事で父親について語っている。製材機械製作会社の経営者だった父親は、宏美さんがオーディション番組で優勝してデビューが決まったとき、あくまで反対した。テレビで見ていたのに、「俺は聞いてない」。

 ▼絶対認めないという意味で、政治家もよく使う台詞(せりふ)である。もっとも、記録的な豪雨に見舞われた茨城県常総市の市長は、本当に聞いてなかった。15日午前に開かれた市議会の本会議で市長は、「安否がわからない人が今も15人いる」と説明している。ところが同じ頃、県の災害対策本部では、すでに無事が報告されていた。

 ▼「ホウレンソウを忘れるな」。企業の新人研修でよく紹介されるビジネス格言である。報告、連絡、相談の頭文字をとったものだ。旧山種証券のオーナー社長だった山崎富治さんが思いつき、広めたとされる。茨城県庁は、「ホウレンソウ」を忘れていた。

 ▼実は県警が戸別訪問などを行った結果、県の対策本部は14日午後には、ほとんどの無事を確認していた。なぜ、公表しなかったのか。「不幸な話ならすぐ表に出さなければならないが、いい話なので」。不可解な弁解である。

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