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【産経抄】テロリストと戦った乗客 8月26日

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【産経抄】
テロリストと戦った乗客 8月26日

 映画007シリーズ第2作『ロシアより愛をこめて』は、いかにも、冷戦の最中らしいストーリーである。英国の諜報部員、ジェームズ・ボンドは、亡命希望のソ連の女スパイとともに、トルコのイスタンブールから特急列車に乗り込んだ。2人に襲いかかる正体不明の殺し屋と、死闘を繰り広げる。

 ▼オランダのアムステルダム発パリ行きの特急列車の車内で21日、3人の米兵らが、自動小銃を発砲する男を取り押さえた。まさにアクション映画の一場面のようだ。3人は男に突進して銃を奪い、傷を負いながら、男を殴って気絶させたという。3人は友人同士で旅行中だった。

 ▼犯人の男は、26歳のモロッコ人で、イスラム過激派に関係する人物として、警察の監視対象になっていた。無差別テロを企てた可能性がある。欧米メディアは3人を、「555人の乗客を救ったヒーロー」とたたえている。

 ▼もっとも、別の乗客の証言によれば、乗務員たちは一目散に逃げ出していた。規則に従って、緊急信号の発信を優先したと、運行会社は弁護しているが。

 ▼日本の東海道新幹線では6月、71歳の男がガソリンをかぶって火を付け、乗客の女性が巻き込まれて亡くなる事件があった。このとき運転士は列車を緊急停止させてから、すぐ車内に入り、車掌とともに消火にあたっている。

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