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【産経抄】大人の世界の入り口 8月23日

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【産経抄】
大人の世界の入り口 8月23日

 母親が中学1年の息子に、部屋が汚いことを注意すると、罵声が返ってきた。「うるせえんだよ、おふくろは。あっちに行ってろ!」。母親は怒るどころか、その晩赤飯をこしらえた。

 ▼いつ息子が反抗してくるか、楽しみにしていたというのだ。「これからは自分の頭でよく考えて行動しなさい」と親離れの一歩を祝福した。数年前の「きのうきょう」欄で見つけたエピソードである。

 ▼作家の村上龍さんが平成15年に出した『13歳のハローワーク』(幻冬舎)は、514種類の職業をわかりやすく紹介して、ベストセラーとなった。村上さんによると、アメリカでは、12歳まで子供としてケアされ、13歳になると逆にベビーシッターなどのアルバイトを始めるようになる。

 ▼13歳という年齢は、まさに大人の世界の入り口にあたる。5年前に出た改訂版では89の職業が追加され、好きな教科から、探せるようになった。中学の吹奏楽部に所属していた平田奈津美(なつみ)さんなら、迷わず音楽の項目に目を通すはずだ。同級生の星野凌斗(りょうと)さんは、小学校の卒業文集に将来の夢として、「人を助ける人になりたい」と書いていた。人を助ける仕事は、福祉関係から警察官まで多種多様である。

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